てんてんの講座案内ビデオ

高橋アキ(カナダ在住)からのメッセージ

小さい頃、祖母からたくさんの替え歌をきいて育ちました。民謡でもないわらべ唄でもない、即席ナンセンス俗曲。音はつくるもの、愉しむものだと教えられました。そのせいでルールや型の無い音楽が体になじむのかもしれません。気に入った旋律や外国曲なんかに勝手に詞をつけてうたったり、心地よい言葉にメロディーをのっけていろんなバリエーションをつくったり。そんな経験がわたしの音づくりの原点になっています。カナダに移住して和楽器アンサンブル、てんてん をつくったのも自分のやりたい音をそのまま表現したいと思ったからです。民謡のアレンジやオリジナルの作品を演奏しながらいろんな場所を巡るのがわたしの最大の喜びに感じています。

三味線はうたといっしょに学んでいきました。ちょうどギターやピアノで弾き語りをしていた時期に三味線という楽器に出会ったのです。三弦のもつ独特な響きと迫力にすっかり魅了され、自分の声も負けないようにボイスマシンとしてフル回転させるようになりました。

民の謡(みんなのうた)という分野は、譜面やお決まりのカタチにとらわれず自由気ままに奏でるというのが最大の魅力です。声の美しさや音程に関係なく、とにかく情緒と個性でとにかく勝負してみましょう。むかっていく敵は自分自身。どんなふうに感じてどんなふうに演じるかは自分次第。誰かと比べているよう自分のうたは見つかりません。三味線も同様です。文化譜で理解し、レコーディングされ完成された音源を真似て演奏するのではなく、その唄や特色にあった三味線の音や弾き方を自分たちでみつけていくという楽しさがあるのです。

テクニックや訓練だけでは鍛えられない持ち味と経験を素直に表現することで、自分の声や三味線の音を見つけることができるはずだと信じています。難しい理論や知識、技術はまったく必要ありません。練習しなければできない、なんてこともないのです。民謡をまったく知らない人も、音楽にそれほど興味のない人も、誰もがすぐに楽しめるというのがわたしの目指す三味線音楽です。

まずは楽器を持って、自分の出す音をしっかり聞いてみましょう。

それからどんな展開になるかゆっくり一緒に体験していけたらと願っています。

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専門分野:
ひとりよがりの三味線弾き語り
即興でつくるうた